PR

NASメーカーSynology社の新製品・新機能を発表するイベントに参加した

この記事は約9分で読めます。

Synology2019Tokyo Welcome

こんにちは、ヒーニョンです。
Synology 2019 Tokyoが開催されると聞いて参加してきました。
「Synologyって何?」といいますと、台湾のNASメーカーです。
NASが分からなくても、自宅のデータに外からアクセスしてみたかったり、Dropboxのような仕組みを構築したいと思ったことがある方なら、お役に立てる情報です。

僕はSynology社のDS216jという製品を購入して開封の儀用に写真まで撮ってブログを書くつもりでいたのですが、ズボラで書き損じてしまい2年も経過して新機種がでる始末です。レビューブロガーとして最悪です。
Synology社のNASはパーソナルユースでは有名です。僕の周りにも愛用者が多いです。
Synology2019Tokyo DS216j開封

会場

今回のイベントは二部構成で行なわれ、第一部は企業向け、第二部はエンドユーザー向けになっていて、僕は第二部に参加しました。
Synology2019Tokyo アジェンダ

会場内は新機種が展示してあったり、関連企業の出店もありました。
Synology2019Tokyo 新製品

今回のメインセッションであるSynology社の新製品・新機能の説明では、興味深いお話が聞けましたので、まとめていきます。
Synology2019Tokyo 新製品新機能紹介

DSM 7.0

DSMとは、NAS製品名のDiskStationに管理するという意のManagerの頭文字で、簡単に言うとNASをパソコンからブラウザで操作するために用意されたアプリです。それが2019年春に新しくVersion 7.0としてリリースされる予定です。
主な内容は次の3つです。

  • 快適な操作感覚
  • わかり易いデザイン
  • ガイド付きインターフェイス

アイコンのバックデザインを変更し視認性を高め、初めて使う機能でも迷いなく操作できるよう全ての機能に対して統一されたUIを提供できるようデザインの見直しをしています。
万が一のトラブルの際は、その原因が何で、推奨されている解決策を的確に提案します。
Synology2019Tokyo DSM7

Synologyが提供するモバイルアプリやルーターOSでUIが統一されていくので、異なるプラットフォーム間でも見慣れたUIが使え、より迷いなく目的を達成できるようになります。
ログイン画面は異なるサービスで同じ画面であったので分かりづらいという意見から、アプリケーションによってビジュアルに変化を持たせることで、アクセスしようとしている機能をより分かりやすくなります。
ロード中という文字しか表示されなかったログイン面にもアニメーションを加えることでバックグラウンドでの処理状況を視覚化し非動作の不安を軽減します。
Synology2019Tokyo Login

デスクトップ画面ではスケルトンデザインでより美しくページ全体の見やすさを大きく向上させた。
Synology2019Tokyo デスクトップ画面

1000を超える項目のガイダンスを作成し、エラー発生時に何が、なぜ、またその解決方法まで分かりやすく表示します。
Synology2019Tokyo マルチガイド

HDD & RAID 3つの新機能

RAIDとは簡単に言うと、複数のハードディスクを使って保存領域を構築することで、1台が壊れてもデータを復旧できるようにするシステムです。後ろに付く番号は構築方法です。

RAIDクイックリビルド

SynologyではRAIDクイックリビルド(特許申請中)に対応します。
RAID5でHDDが1台故障するとRAID構成がデグレード(劣化)した状態となります。デグレード状態では早期のハードディスクの物理交換と画面上のボタンを数回クリックしてリビルトが必要になります。
リビルド中にもう一台のハードディスクが故障してしまうと、絶対にあってはならないRAIDアレイ(分割したデータの塊)の崩壊(データが壊れる)がおきます。リビルド中に複数台のハードディスクが故障することは稀ではありますが、可能性はゼロではなく、リビルドの時間が長ければ確率も上がります。
HDD 8TBで使用率40%のRAID5のリビルドで8時間掛かっていたのが3時間まで短縮され、リビルド中の複数台のハードディスク故障のリスクは大幅に減ります。
Synology2019Tokyo RAIDクイックビルド

HDDの故障を予測検知

SynologyではNASメーカーとして多くのハードディスクの故障に関するデータを保有していて、メーカーや型番などに応じて約300万台のハードディスクの情報をマシーンラーニングによるモデリングをして高い精度でハードディスクの故障を事前に検知することが可能になり、ハードディスクの故障予測を事前に通知することができます。また、ハードディスクの健康状態を視覚的に把握することができアレイが劣化する前に対策を取ることができます。
Synology2019Tokyo HDD故障予測

HDD交換・即時データコピー

故障が予測されるハードディスクをドライブベイから抜き取りるとRAIDは劣化状態になり、新しいハードディスクを挿入するとリビルドが始まります。DiskStationに空きハードディスクベイがあれば、そこに新しいハードディスクを挿入すれば、故障が予測されるハードディスクが即時コピーされ、ドライブの役割が移り変わるので、リビルドが不要になり故障が予測されるハードディスクを安全に抜き取ることができます。
Synology2019Tokyo HDD交換即時データコピー

Synology Drive

働き方改革などにより、社内のみでのデータ共有に限界がきています。
テレワークの普及により、社内のファイルサーバーにアクセスするためにVPNで繋げたり、提案書や見積書などのファイルをお得意様先で開く必要があったりします。
どこからでも、簡単に安全にデータにアクセスできることがSynologyのファイルサーバーの設計思想です。
Synology2019Tokyo どこからでもアクセス

Synology Driveを使えば、慣れ親しんだWindowsのエクスプローラーやMacのFinderに近いUIで外部からのアクセスが可能になります。ファイルのタグ管理や大きなファイルをメールでリンク共有するような使い方もできます。
Synology2019Tokyo SynologyDriveWebポータル

Synology Driveは、DropboxライクにPCのフォルダとNASのファルダを同期するCloudステーションを古くから提供しているが、新たにマイクロソフトが提供するWindows Cloud Filter使用したファイルストリーミングが可能になります。限られたディスクスペースしか無いローカルマシーンではフォルダ全体が同期されてしまう方法は決して最善とはいえません。フォルダを開きながらも必要なファイルのみストリーミングすることでネットワークやディスクリソースの使用を最小限に抑えれます。
Synology2019Tokyo SynologyDrive

ファイル更新時にネットワーク帯域を大幅に消費してしまうことが心配になりますが、Synology Driveは1ファイルを更新するのではなく、変更箇所のデータみの差分同期です。データ容量が制限されるモバイルデータ通信環境下では大きな違いになります。
Synology2019Tokyo ネットワーク帯域消費

複雑化していたCloud Stationで提供されていたさまざまなアプリはSynology Driveに統一され、またがうアプリケーションで悩むこと無く、オールインワンソリューションとして提供していきます。
Synology2019Tokyo SynologyDriveバックアップ機能統合

それによりCloud Stationは2020年でメンテナンスし2021年にサポート終了します。NASやクライアント内のデータ構造を変更することなくSynology DriveへマイグレーションすることができるのでSynology Driveへの移行を検討していただきたい。
Synology2019Tokyo CloudStation終了

モバイルアプリ

現在15個のモバイルアプリを提供しています。
今回は2つのアプリについて説明します。
Synology2019Tokyo モバイルアプリ

DS finderについてです。
Synologyの製品をセットアップするさいに、同一ネットワークにあるブラウザからアクセスしセットアップを進める必要がありました。セットアップに掛かる時間は5分から10分程度ですがパソコンが必要でした。今後はスマホだけでセットアップが完了するようになります。
Synology2019Tokyo DS finder

Momentsについてです。
以前より提供しているPhoto Stationは写真管理でアルバムの作成やタグ編集を自身でしたいという写真愛好家向けのパッケージですが、それに対してMomentsはスマホやデジカメで撮りっぱなしで写真管理はお任せというカジュアル思考ユーザー向けのアプリです。
ディープラーニングにより取り込んだ写真から自動的に人物やオブジェクトを認識し自動的に分類分けおこなうので、整理することを意識せずに写真を撮りためることができます。
iPhoneのLive Photosに対応しますし、簡単な色合いや傾きの補正ができるようになり、ワンタッチでより自然な補正ができるようになります。
Synology2019Tokyo Moments

Synology メッシュルーター

メッシュルーターとは、移動中でも基地局が自動的に切り替わる携帯電話のように複数のアクセスポイントの電波が混在するエリアでも自動的に電波強度が高いアクセスポイントに接続されます。従来のWi-Fi中継機を利用したときのように遅いWi-Fiを掴みっぱなしなるようなことはなくなります。
Synology2019Tokyo メッシュルーター

WPA3にいち早く対応しました。
Synology2019Tokyo WPA3対応

従来より端末単位でインターネットの接続時間や接続先の制御ができましたが、新しくなりユーザー単位でもできるようになります。
有害サイトの判別にはGoogleが提供する最新のセーフブラウジングに対応しますので、ご家庭や会社のネットワークをインターネットの驚異から守ります。
Synology2019Tokyo SafeAccess

MR2200acは今年11月下旬に発売予定です。
Synology2019Tokyo MR2200ac発売日

その他

イベント後半では景品の抽選会やクイズ大会で盛り上がりました。
Synology2019Tokyo クイズ大会

クイズの第一問は「Synology」の読みでした。昔は「Google」をゴーグルと読む方を見かけていましたが、最近ではいなくなりましたね。「Synology」をサイノロジーと読むのは日本人としては普通だと思います。でも正解は「シノロジー」なんです。早く浸透するといいですね。
Synology2019Tokyo クイズ大会Q1

景品は当りませんでしたが、Synologyのノベリティや出展社からもお土産をいただきました。SeagateのTシャツも貰えて良かったです。
Synology2019Tokyo お土産

まとめ

SynologyのNASを使い始めて2年になりますが、まだまだ使いこなせていないのが現状です。機能がありすぎるんです。その中でも僕が使ってる機能は次のものです。

  • ファイルサーバー(ローカルや外部からファイルのアクセス)
  • Dropboxのようなファイル同期
  • ブログ構築時の実験用WordPressサーバー
  • Javaの勉強用サーバー

気になる機能としては、チャットやカレンダー、動画管理、Wiki、iTunesサーバー、SVN(ファイルバージョン管理)などがあります。そして殆どが無償のアプリなのも助かります。

イベントでは、Synologyの社員さんに色々と聞けて勉強になりました。またストレージメーカーさんや無停電電源装置のメーカーさんにも話が聞けて参考になりました。
日本では今年で4回目の開催だそうです。たまたま使っているNASのDS216jで分からないことがあって調べ物をしているときにSynologyのサイトで開催を知りました。来年もあれば参加したいと思いました。

ではまたヾ(^^へ)

こちらで購入できます

関連記事

コメント

  1. hinyonposu より:

    DSM7.0のサポート機種については何も話がなかったですね。当然、過去の製品は対応するものだと思って聞いていました。
    知らないだけで便利な機能がたくさんあると思うんで、DSMが分かりやすくなるのは嬉しいですね。

  2. りんもん より:

    僕は961ユーザーですが新しいDSMすごいですね。既存のNASでも使えるんですかね。興味津々です。

タイトルとURLをコピーしました