こんにちは、ヒーニョンです。
ソースネクスト様から「全録KAIGIO(ぜんろくカイギオ)」を提供していただきましたのでレビューします。
「全録KAIGIO」とは、ZoomやTeamsなどでのWeb会議を録画できるソフトウェアです。(Windows版のみ)
何が録画できるのか?
Web会議を録画するソフトウェアですが、やっていることはパソコンのデスクトップを録画しているだけです。極端なことを言えば、YouTubeをパソコンで見ているついでにデスクトップを録画すれば、YouTube動画を録画できることになります。もちろんYouTube動画を停止したり、スキップすれば、その状況のまま録画されます。
ZoomやTeamsなどの会議システムに標準でついている録画機能を参加者が使用するには、主催者への申請が必要ですが、「全録KAIGIO」は、デスクトップを録画する独立したソフトウェアのため、参加者の意志で録画ができます。
デスクトップに映る著作物コンテンツを録画できますが、Amazonビデオなど規約で禁止しているサービスが多いです。また、Web会議でも主催者側が会議の録画を禁止している場合もありますので、ルールにしたがって使いましょう。
「全録KAIGIO」と「B’s 動画レコーダー」どちらを買えばよいか?
ソースネクスト様の勉強会で「全録KAIGIO」の説明をうけて思ったのが、同社から発売されている「B’s 動画レコーダー」で十分では?という疑問です。
僕は「B’s 動画レコーダー 6」(執筆時点で7が最新)を持っていて、Web会議の録画にいつも使用しています。ちょうどよい機会なので「全録KAIGIO」を実際に使ってみて、その違いを記事にします。
この記事では次のバージョンのものを使用しています。
- 全録KAIGIO: 1.0.0
- B’s 動画レコーダー 6: 6.0.1
※バージョンアップにより機能追加されていることもあります。
「全録KAIGIO」と「B’s 動画レコーダー」似た製品があると、どちらを買えばよいのか悩むと思います。
先に結論を書きます。
- 「全録KAIGIO」はパソコン初心者向け
- 「B’s 動画レコーダー」はパソコン中級者以上向け
メイン画面を比べると、「全録KAIGIO」は2倍ほど大きくて、見やすく、初心者向けと思える作りになっています。
この理由について、以下で細かく解説していきます。
ざっくり機能比較表
機能 | 全録KAIGIO | B’s 動画レコーダー 6 | |
価格 | ダウンロード版 | 9,900円 | 3,900円 |
録画 | 自動録画 | ◯ | ☓ |
自動スクリーンショット | ◯ | ☓ | |
マイク音声を同時録音 | ◯ | ◯ | |
録画範囲の調整 | ☓ | ◯ | |
録画範囲の前回値記憶 | ☓ | ◯ | |
バックグラウンドで録画 | ☓ | ◯ | |
ショートカットキーで録画開始/停止 | ☓ | ◯ | |
録画開始待ち時間の設定 | ☓ | ◯ | |
マウスポインターの録画 | ☓ | ◯ | |
録画画質の設定 | ☓ | ◯ | |
ブックマーク | ☓ | ☓ | |
編集 | サムネイル表示と再生 | ◯ | ☓ |
トリミング | ◯ | ☓ | |
カット | ◯ | ◯ | |
動画からスクリーンショット | ◯ | ◯ | |
シーンの切れ目を自動検出 | ☓ | ◯ | |
動画結合 | ☓ | ◯ | |
その他 | 録音、音声編集、音声抽出 | ☓ | ◯ |
スクリーンショット | ☓ | ◯ |
自動処理
自動録画と自動スクリーンショットは「全録KAIGIO」にしかない機能です。
「全録KAIGIO」をパソコンに常駐させれば、Web会議がはじまれば、勝手に録画し、スクリーンショットまで撮ってくれ、なにもしないでよいので初心者にはありがたい機能です。
自動録画
営業トークとしては前述ですが、実際に使ってみると僕は自動録画を2度失敗しました。慣れればよいのですが、自動だけにわかりにくい。
最初の失敗はZoomで会議が始まっても録画開始しないのです。慌てて手動録画です。
会議後に落ち着いて調べてみるとQ&Aに次の2点の注意事項が書かれていました。
- 保存ストレージには5GB以上の空き容量が必要
- メイン画面を閉じる(常駐状態)
2点とも大丈夫だったので、サポートに聞いてみました。そこで気がついたのがセキュリティソフトです。いつもはノートンなのですが、現在お試してカスペルスキーを使っていて、これが誤検知していました。「全録KAIGIO」で自動録画するには、セキュリティソフトを一時的にオフにする必要があり、自動録画の魅力は無きに等しい。
2つ目の失敗はZoomの画面が録画されていませんでした。マニュアルを読んでわかったのが、録画できるのは、メインディスプレイだけです。自動で録画するくらいなので、Zoomのウィンドウを特定して必要なところだけ録画するのかと思ったらメインディスプレイの全域を録画します。
僕はデュアルディスプレイ環境で次の写真のように、右の小さいディスプレイがメイン、左の大きいディスプレイがサブです。大きいサブディスプレイにZoomの画面があるので録画されていなかったというワケです。(音声は大丈夫です)メモをとっているメインディスプレイがひたすら録画されていました!?
よく見るとデュアルディスプレイの境界に赤く線が入ることで録画しているディスプレイを特定しているのですが、初見では理解できなかったです。
自動スクリーンショット
設定画面で1秒から1秒単位で指定できます。デフォルトが5秒になっていたので、そのまま使ってみました。
2時間11分の録画で5秒毎だと約1600枚のスクリーンショットになりますが、同じシーンのスクリーンショットを削除する機能があるおかげで469枚のjpgファイルが作成されていました。スライドを映し出しているだけの会議ならもっと削除されると思います。
録画範囲の調整
録画範囲の調整は「全録KAIGIO」ではできません。メインディスプレイ全域のみです。
「B’s 動画レコーダー」は次の4種類あります。
- 任意の範囲
- 全画面(メインディスプレイ全域)
- 特定のウィンドウ(バックグラウンドでの録画にも対応)
- 前回と同じ範囲
全画面を選んだときが「全録KAIGIO」と同じです。僕はWeb会議では任意の範囲で選んで使用していたので、面倒ですが、録画範囲の失敗はありません。動画をダビング的に使うときは特定のウィンドウでバックグランド録画にするので、パソコンで別作業していても不要なものが映り込むことがないので便利ですし、タイマーもあるので終わるのを待つだけです。
マウスポインターの録画
Web会議の録画でマウスポインターが映り込むのは意図しないところです。「全録KAIGIO」ではマウスポインターが一切録画されません。当然ですが、マウスポインターのホバーによって色が変わるものは録画されます。
「B’s 動画レコーダー」は設定でマウスポインターを録画できます。パソコンの操作説明でマウスポインターを録画したいときには便利です。
録画画質の設定
「全録KAIGIO」には録画画質を設定する項目がありません。完全にオートです。録画したmp4ファイルの情報を見るとフレームレートは30でした。
「B’s 動画レコーダー」は設定項目がいくつかあります。しかし過剰に高品質に設定するとパソコンのスペックによっては録画に失敗するので慎重に調整する必要があります。
編集機能
「全録KAIGIO」、「B’s 動画レコーダー」共に動画編集ソフトのような高価な機能はありません。
再生機能
編集と言いながら、動画を確認する再生機能が備わっています。とくに「全録KAIGIO」は会議後の資料作成に繋がる機能があります。
動画編集画面に入ると、いままで録画したファイル一覧が日時で並んでいて、ファイルを選べば自動スクリーンショットのサムネイル一覧が表示されます。サムネイルを選べば動画の頭出しができます。
観たいシーンが素早く探せるようになっていますが、残念なところがあります。
ファイルを初回で開くときは、サムネイル一覧のキャッシュを作っているためか、別の作業ができるほど(初回だけ)時間がかかります。
せっかくできたサムネイルですが小さくてわかりにくいです。「進む/戻る」ボタンはサムネイル単位で移動しますが、サムネイルでどの場所か表示されません。通常に再生してもサムネイルには変化ありません。再生のコマ送りとコマ戻しがないので、細かな再生位置の指定ができないので、文字起こし作業に辛いと感じます。
5秒毎の自動スクリーンショットでは、同じものが削除されていたとしても、多すぎてサムネイル一覧から観たいシーンを探すより、シークバーを動かした方が手っ取り早いと感じました。自動スクリーンショットは60から180秒くらいでよいように感じます。必要なスクリーンショットは後から撮影したほうが速いです。
一方、「B’s 動画レコーダー」はファイルを1つ選ぶため一覧がありません。自動スクリーンショットがないのでサムネイル一覧もありませんが、シーン検出機能があり、シーンが切り替わる時間を選べます。時間が列挙されても目的の頭出しはできないです。「進む/戻る」ボタンはコマ送りとコマ戻しですが、これだと文字起こし作業には辛いです。
トリミング
「全録KAIGIO」は録画範囲の調整ができない代わりにトリミングできます。任意の矩形から、アスペクト比固定まででき便利なのですが、画面を拡大表示できないのでビット単位の調整は不可能です。録画したmp4ファイルを直接編集するのではなく、書き出すのでオリジナルファイルは残り安心です。また自動スクリーンショットもトリミングされるので感動しました。
カット
カット機能は「全録KAIGIO」、「B’s 動画レコーダー」共にありますが仕様が違います。
- 全録KAIGIO: 動画の前後をカットする
- B’s 動画レコーダー 6: 不要な部分を複数指定して切り出す
必要な部分を切り出すなら「全録KAIGIO」が手順が少なく簡単ですが、細かなことはできません。
僕の使い方は、会議の休憩時間や公開できない内容を中抜きで削除します。これは「B’s 動画レコーダー」でしかできません。
「全録KAIGIO」は動画結合の機能もないので、中抜きすることは不可能です。
その他
「B’s 動画レコーダー」には録画以外に録音、音声編集、音声抽出、スクリーンショットなどの機能があります。
録音機能については次の記事を参考にしてください。
まとめ
「全録KAIGIO」はKAIGIOシリーズのひとつで、KAIGIOは「会議を、変えよう」を合い言葉に、会議のためのハードウェア、ソフトウェアを提案する新ブランドです。
「全録KAIGIO」はバージョン1.0とあり、まだまだ不完全だという印象です。僕はターゲットが初心者だと思っただけですが、売りの機能である「自動録画」でつまずいたのは最悪です。サポートが必要だったり、マニュアルを読むことすらない作りにすべきだと思います。セキュリティソフトが悪いのですが、誤検知は主要なメーカーのものは事前に解決しておくべきだと思います。ユーザーが誤検知申請するのは大変です。
「全録KAIGIO」頭出しの機能は「B’s 動画レコーダー」よりはよいが、まだ使えるレベルではなく、無料のVLCでサクサク再生した方が速いと感じます。録画後の作業まで視野にいれるなら、ブックマーク機能や文字起こし機能、シークバーにサムネイル表示など足りない機能が多いです。
現状では価格が安い「B’s 動画レコーダー」で十分だと感じました。「全録KAIGIO」は初心者を対象とするより、会議ならではの機能を付け「B’s 動画レコーダー」と差別化して欲しいです。価格も高いですからね。
ソースネクスト様は、このブログを含めユーザーからの声を敏感に調査しているので、機能実装してくれることを期待して待ちたいです。
ではまたヾ(^^へ)
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